ヒヨコのラントン、8/3 の様子 〜大怪我した翌日〜

ヒヨコのラントンがイタチに襲われて大怪我した翌日の様子を書き留めておきます。

▽▼▽▼▽

朝、3時に目を覚ました。

息を詰めて、ラントンのベッドの覆いをそっとめくると。
ラントンは静かに眠っているようで、ほわほわの体を丸めて息づいていた。

生きてた、生きてた…

夜中に何度もラントンが目を覚まして鳴くたびに飛び起きて、背中をさすっていた。
朝が来たら、もう動かないんじゃないかと思って怖かった。

だけど、今の段階で、ラントンは生きてくれていた。

すごく、すごく嬉しかった。涙が出た。

まだラントンは静かにしているので、起こさないようにそっと部屋を抜け出し、
今日のイベント出店の準備をする。

ラントンが生きてくれていたので、すごい力と勇気が湧いてきた。
絶対に終わらないと諦めていた準備を大詰めでこなす。

5時ごろ。
いつもヒヨコたちを散歩に出す時間だ。
覗いてみると、ラントンはしっかり目を開けてくれている。


嬉しくて仕方ない。

やった、やった!
一晩を乗り切ったぞ!!

さっそく、水をあげる。
ラントンをそっと抱き上げ、膝に乗せる。
昨日処方された抗生剤をわずかな水に溶かし、
シリンジで吸い上げて私の手のひらのしわのところに一滴ずつ落とす。
その水のつぶをラントンのくちばしに当て、表面張力でくちばしに行き渡らせると、
ラントンはちょこちょこと音を立てて飲む。

一滴ずつ、時間をかけて薬を飲む。
共同作業だ。
命がけの共同作業。

全部飲めた!すごく嬉しい。

ベッドを整え、コメとムギの世話をし、私は今日のイベント準備に取り掛かる。

夫も娘ふたりも起きてきた。
ラントンが薬を上手に飲めたことを報告してみんなで大喜び!

みんなはヒヨコたちの室内ケージを掃除したり、コメとムギ散歩させたり、家事をしたりとてきぱき動いている。
なんて頼もしいんだろう!

一生懸命生きようとしてるラントンと、頑張ってる家族の姿を見たら、すごく、すごく力が湧いてきた。
昨日、ひどく弱気になってしまって、泉が枯れたようだったけど、新しくこんこんと水が湧いてきたみたいだった。

よし、やるぞ!
イベントで販売する用の原画を6時位から描き始める。
もう準備できないと思って諦めてたけど、できるところまでやる!
材料を持っていって、会場で空き時間に描いて出したっていいんだ。
あきらめないぞ!やれることを全部やるぞ!

できるところまでで、切り上げ、
荷物をまとめ、軽自動車への積み込みを夫にお願いする。

ものすごく重い。絵本って重いなあ。
でも、ありとあらゆる不安はもう振り切った!行くんだ!

家族に全部お願いして出発。
応援してくれる家族がいるのは、本当に心強い。

絵本フェスはトラブルもなく、1日頑張れてすごい自信になった。
パニック発作がでるほど苦手な高速道路の運転を1時間乗り切り、全く道がわからない中会場に行き、ものすごく重い荷物をキャリーカートに入れて搬入。凄まじい暑さで汗が滝のように流れる。朝から熱中症になるかというなか、荷物が重すぎて立ち往生し、通りすがりの親切な方に助けていただいた。涙が出るほどありがたかった。

はじめてのイベントで、本番が始まってからもドキドキだったけど、会場と連れてくださったお客様にとても嬉しい声をかけていただいたり、お友達の絵本作家さんに助けていただいたり…

本当に、人は優しい。世界は優しい。
みんなの優しさを再確認する日になった。

イベント中、ラントンんのことがすごく気がかりだった。
容体が急変したりしてないだろうか。

スマホを見ると、夫が動画を送ってくれている。
長女がラントンに水とご飯をあげている動画。

「こっちは大丈夫でーす」のメッセージ付き。すごく安心した。

イベント中はご飯を食べる時間もなかった。
もちろん抜けてもいいんだけど、お客さんと交流するチャンスを逃したくない。

家でたくさん作ってきた。小さい玄米おにぎりを少しずつ食べながら、血糖値スパイクが起きないように注意しつつ乗り切る。

無事にイベントが終わった!
やり遂げたぞ!
ラントン、お母ちゃん頑張ったよ!

急いで荷物をまとめる。
荷物が多すぎて、一度でコインパーキングまで運べないのがもどかしい。

午後5時半の名古屋はクラクラするほどの暑さ。灼熱だ。
2回に分けて、荷物をまとめて会場から徒歩5分のコインパーキングに運び込む。
暑くて、荷物が重くて、靴擦れした足も痛くて、ヘトヘトだったけど、
でもラントンと家族のもとに帰るんだ!

帰りの高速では、はじめ気持ちが爽やかだった。
でも、だんだん落ち込んでくる。
ラントンが白い羽を広げた姿が目に浮かぶ。

今は大丈夫だろうか。
急に弱ったりしてないだろうか。
いや、それなら家族が連絡してくれるはず。
でも、連絡する余裕がないだけかもしれない。

ぐるぐると考え出すと、涙がこみ上げる。

やっと、自宅に着いた。午後7時過ぎ。

ドキドキしながら、玄関のドアを開けると、リビングから子供たちと夫の笑い声が。
ラントン、なんともなかったんだ!

リビングのドアを開けると、

「あ、お母さん、お帰り〜!絵本売れた?」
「ラントンは?薬飲んだ?」
「うん、飲んだよー。水、あんまり飲まなくて、どうしようかと思ったんだけど。でも薬はきのう、お母さんがやってたみたいにして、飲ませたよ!」

ほっとした。崩れるように力が抜ける。
よかった。よかった…

そっとのぞくと、ラントンは箱ベッドでうずくまっている。

よかった。ほんとによかった。
ラントンも、家族もみんな、ありがとう。

また元気が出てきて、イベント後の後処理などを夕飯を食べながらこなすことができた。

今日も頑張った!ラントンも家族も私も。
みんなありがとう!


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この記事を書いた人

絵本作家・イラストレーターとして活動させていただいています。

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